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大栗屋

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2008年 12月 13日

お疲れ様でした

 今日、夜の部開店と同時に1人のお客様がご来店しました。
 いつもと同じように親子ほど歳の離れた私にも、こんな言い方をしたら失礼ですが礼儀正しく挨拶をし、いつもと同じ席に座り、いつもと同じようにコーヒーを飲み始めました。
 でもいつもと違うことがひとつ・・・いつもなら仕事着のはずが今日は私服でした。確か休みは暦通りだったはず、不思議に思い「今日は休みだったんですか?」と私。そしてお客様「今日で最後だったから、挨拶回りしてきたんだ」と・・・
 40数年勤めたそうです。1度定年退職してから、会社からこわれてそれから10年以上働いていました。
 一言で40数年といっても、いいことばかりではなかったはずです。悪い時も、嫌な事も辛い事もたくさんあったはず・・・でも、この方からでた言葉は「こんなに長く働かせてもらってありがたかったし、お世話になった」という感謝の念でした。
 私の父親とは店を開く前からの友人でもあり、昔、貧乏だったころ、一把の乾麺のうどんをうちの父親と母親と3人で分けて食べたっけ、なんて笑いながら珍しく昔話をしてくれました。
 仕事一筋で、曲がった事が大嫌いで、人一倍正義感が強くて、人一倍世話好きで・・・私が店を継いだ時も毎日のように朝、出勤する前に寄って、自分が作った野菜を、時には買ってまでわざわざ持ってきたりしてくれていました。帰り際に必ず、「困った事があったら何でも言えよ」、不安だらけの私の心を見透かしたように一言言って会社に行く後ろ姿を見送った事を昨日の事のように思い出します。
 このお客様はご自身でも蕎麦を打たれます。そして今日、蕎麦粉の注文を頂きました。その量とその性格からしておそらく、お世話になった人達に自分で打って配るであろう事は容易に推測できました。
 いつも以上に心を込めて挽こうと思います。お疲れ様でしたと感謝の意を込めて。
 

by oguriya | 2008-12-13 01:58 | スタッフのつぶやき


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